顔面けいれんとは、顔面の片側の筋肉が勝手にけいれんする病気です。
ほとんどの人で下まぶたの筋肉のけいれんからはじまり、しだいに強くなり顔全体に拡がっていきます。とくに緊張したり、人前にでると強くなる病気です。
階段を降りるときに目が塞がると危険ですし、電車の中などでは顔を伏せたくなるなどうっとうしい疾患です。
この病気のおこる原因は、加齢で屈曲してきた動脈が、顔面神経をその根元のところで圧迫するためで、症状はしだいに進行してきます。
顔面けいれんの治療には薬物は効きません。
けいれんの治療方法は大きく3つに分けられます。
神経ブロック療法といわれるもので、ボツリヌスという細菌の毒素を顔面の筋肉のけいれんしている部分に注射して筋肉を一時的に麻痺させるものです。 しかし顔面けいれんの原因である顔面神経の血管による圧迫はそのまま存在するために、約3か月でけいれんは再発してきます。
根本的な治療法としては手術療法(顔面神経減圧術…顔面神経を圧迫している血管を神経より離す)があります。手術はこの治療法に30年の経験がある医師があたりますが、 治癒率は、約97% 長期観察での再発率は数%です。
最近では、MRIで、どの血管が神経を圧迫しているかを診断できます。
この疾患は痛みを伴いませんが、顔面の筋肉のけいれんが持続するため、 とくに女性に多くの発生することからも美容上も大変な苦痛です。 いずれかの治療法を受けられることをお勧めします。