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ロボット手術による鼠径ヘルニア治療

ロボット手術センター センター長
消化器・乳腺センター センター長
ヘルニアセンター

新田敏勝医師


 城山病院では2022年12月に最新の手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を導入し、大腸がんや胃がん、前立腺がん、鼠径ヘルニアなど150例の手術を行ってきました。今回は鼠径ヘルニアの治療について新田医師に話を聞きました。

鼠径部の腹壁の筋膜が弱くなっていることにより、腸の一部が筋膜の間から皮膚の下に出てくる疾患で、治療は手術になります。従来は腹腔鏡下手術で治療を行っていましたが、ダヴィンチXi導入後はロボット手術も積極的に行い、その症例数が増えています。

 以前にもお話しましたが、ロボット支援手術はこれまでの内視鏡下手術よりも、体内に挿入した鉗子の操作の自由度が劇的に増して、良好な視野のもとで鉗子を操作することができます。そのため、手術時の出血量が極端に少なくなり、術後の痛みも少なく、社会復帰が早くなります。また、合併症の可能性が減るため、高齢者の方にも安心して手術を受けていただけます。

 さらには、ロボット技術の進化と同時に、手術で使用する様々な医療用素材や器具も開発されています。例えば、ヘルニアの再発率を下げるために「メッシュ」と呼ばれる人工膜を使って修復を行いますが、この「メッシュ」の素材や、それを固定する器具なども最新のものを使用できるため、術後の痛みや創部の変形が少なくなっています。

 当センターでは鼠径ヘルニアの他にも、腹壁瘢痕ヘルニア(手術痕の化膿などで縫合した筋膜が離開し、内臓が飛び出すヘルニア)や臍ヘルニアなども腹腔鏡下手術で行っています。近隣の医療機関や開業医の先生方からの紹介も増えており、腹腔鏡下手術だけでなくロボット手術がヘルニア分野でもスタンダードになりつつあります。
 
 その証として、現在は鼠径ヘルニアでのロボット手術は保険診療ではなく自由診療(医療費控除対象)ですが、近い将来には保険が適応される予定です。ヘルニアでお困りの方はヘルニアセンター(外来)にお越しください。

※ここに書いたヘルニアは椎間板ヘルニアなどの腰痛の原因となるものではありません。椎間板ヘルニアは、当院の整形外科での対応となり、そちらを紹介させていただいています。