
一般内科 出口均 医師
今年4月に赴任した出口医師は大阪大学大学院免疫内科研究室出身です。免疫疾患の代表である関節リウマチは早期治療が重要です。これまで数多くの免疫疾患を治療してきた出口医師に話を聞きました。
私は羽曳野市古市で生まれ、天王寺高校から大阪大学医学部に進み、免疫内科の研究室に入りました。ちょうど免疫学の世界的権威で、後に大学総長を務められた岸本忠三先生(富田林市出身)、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑先生がおられました。近年、免疫学は進展を続け、研究の重要性はさらに増しています。
免疫の低下は感染症への抵抗力が下がるだけでなく、免疫の暴走は様々な病気を引き起こします。国が指定する難病の中にも、免疫がかかわると考えられる病気が多数あります。岸本先生らの研究から新薬が開発され、免疫疾患の患者さんをたくさん救えるようになり、さらに本庶先生の免疫チャックポイント分子の抑制で、抗がん剤の効果増強も示され、免疫学のがん治療への応用も期待されています。私の自己紹介に話を戻します。阪大大学院を卒業後、日生病院、そして公立学校共済組合近畿中央病院免疫内科で19年間、関節リウマチの内科診察を担当しました。縁あって出身地のきれいな城山病院に赴任することなり、嬉しく思っております。
前任の免疫内科で診ていたのは、免疫疾患とその合併症です。免疫疾患の代表はリウマチとアレルギーです。リウマチの代表が関節リウマチです。ここで、なぜ免疫異常が関節リウマチを引き起こすのか簡単にお話しましょう。自分の身体の一部を自分のものではないと細胞がまちがって判断し、これに対抗しようと抗体を作ります。関節液をつくる滑膜にリンパ系細胞が集まり、様々な破壊物質の生産工場となってしまい、次第に自分の軟骨や骨を破壊し、進行すると関節が変形したり固まったりしてしまうわけです。最近の調査では、高齢者が要支援要介護となる原因は、関節リウマチなどの関節疾患が11%で、これに骨折転倒を加えた23%は、脳卒中、認知症よりも多く、第1位でした。いつまでも自立した生活を送るためにも、関節リウマチにも注意する必要があります。
先述の誤嚥性肺炎の予防の大きな目安になるのが、これから述べる嚥下の評価方法です。簡便な方法として水飲みテストやフードテストなどがあり、その次に嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査を行います。当院では嚥下内視鏡検査を行っており、これは造影検査と比べると、被爆やバリウムを飲み込んでしまう危険性がなく非常に安全で、短時間(約15分)で実施できる利点があります。具体的には内視鏡室で経鼻用ビデオスコープを使用し、モニターを見ながら言語聴覚士とリアルタイムで評価ができます。
昭和の時代、関節リウマチは慢性関節リウマチと呼ばれ、治療は鎮痛剤が主体でした。平成に入り、免疫抑制を手段とした免疫異常の調整は、目覚ましい進歩を遂げました。種々の免疫抑制剤での治療、生物学的製剤で特定の標的を攻撃する治療、細胞内で働くJAK(細胞内酵素の一つ)阻害剤治療などが行われています。実際には外来化学療法室での月1回の点滴、自己注射、内服などの治療があり、保険適用されています。ただ、免疫抑制治療は、様々な合併症などが起こりやすくなります。間質性肺炎などの
肺炎、帯状疱疹、ステロイドによる糖尿病、骨粗しょう症など、特別な免疫内科のフォローが必要です。