
クオリティマネジメントセンター 医療ソーシャルワーカー 岡崎泰弘さん
昨年、10月に始動したクオリティマネジメントセンター。その活動は患者様の支援や医療安全推進、感染制御管理など多岐に渡っていますが、今回は医療ソーシャルワーカーの岡崎さんに、入院患者様への支援について話を聞きました。
社会福祉士資格、または精神保健福祉士資格という国家資格取得者を総称として「ソーシャルワーカー」と言い、その中で医療機関で働いている人たちのことを医療ソーシャルワーカーといいます。
現在の私の主な仕事は、入院患者様の退院援助と退院後の生活支援です。住み慣れた地域で安心した生活を送ることができるように、主治医や看護師をはじめ院内の多職種と相談しながら、地域の医療機関や行政機関などと連携・調整を図ります。対象となるのは、様々な年齢・疾患の患者様ですが昨今、高齢化が進み患者様が入院中に要介護状態になり、退院後の支援を必要とするケースが増加しています。今回は、そのようなケースについてお話をしたいと思います。
退院後、自宅での介護が難しくなった場合、どのようにご本人やご家族の生活を維持するのかをまず、私たちは「回復が難しいケース」を想定して、調整の準備を始めます。具体的には、入院されて7日以内にご本人やご家族の方にお話を聞き、問題点は何か把握します。と言っても、入院してすぐに「困りごとはないですか」と初対面の私がお聞きするのは、ハードルが高いので、特に「良くならない場合」のことを想定して話をするというのは、厳しいです。自宅に戻らず、施設入所を希望されても、経済的な事情で希望する施設に入れない場合もあります。つまり、困りごとは家族関係や住宅事情、そして経済的問題が絡みます。心配事を抱えていても「大丈夫です」と言われたり、「人様に頼りたくない」と言う方もおられます。また、コロナ禍、家族の方の面会が難しいと、実情把握に時間がかかります。
そのような中で、患者様の尊厳を守りながら、すべて希望通りにはいかないこと、家族介護は覚悟が必要なことをしっかり伝えていきます。その上で、入所できる施設や、転院先を探し、自宅介護をする場合は、家族のマンパワーで補えない部分を埋める公的なサービスを手配します。まさに、誰一人として同じケースはありません。退院された後も、「これでよかったのかな」「他にも方法があったのかもしれない」などいろいろ考えることも多々あります。たとえべストな答えはなくても、患者様の思いに寄りそったベターな方法を!その思いで日々支援しています。
入院患者様が困られた時は、私たち医療ソーシャルワーカーが対応します。外来患者様から相談があった場合は、地域包括支援センターや相談窓口へ連絡し支援を依頼します。もちろん、かかりつけ医をお持ちの方は、身近に相談できる専門職がいるのですから、これほど心強いものはありません。お元気な方でも介護や生活で困った時に、相談できる窓口を知っておくことが大切です。介護なんてまだ先だ…と思わないこと。すべての人が日頃から「だれに相談すればいいのか」を考え、相談窓口を持つことが必要です。