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日本救急医学会認定指導医 今西正巳医師
今年度から羽曳野市の災害医療センターに指定された城山病院は、9月22日に柏原羽曳野藤井寺消防組合と協同して災害対策訓練を行った。傷病者役には美原看護専門学校の学生37人が外傷などを模造した特殊メイク(ムラージュ)を施して参加した。DMAT(災害派遣医療チーム)の隊員であり東日本大震災時も参加された今西医師に話をして頂きました。
今回のシナリオは「9月22日午前9時30分に大阪府北部を震源とするマグニチュード6.5、最大震度6弱の地震が発生。柏原羽曳野藤井寺消防組合管内において震度5弱を観測し、羽曳野市内の住宅が倒壊し傷病者が多数発生。一般道路ではバスが横転するなど交通事故が起き、当院に軽傷から重症の患者が搬送されて来る」というものでした。消防組合は直ちに大阪府救急災害医療情報システム(ORION)を使って地域の医療機関の情報の集約を始めました。院内では災害対策本部を直ちに設置し、被害状況を把握。結果は電子カルテが使用不可だが他の医療行為は可能、空床もあるので、傷病者の受け入れが可能と判断し、ORIONで情報発信しました。
災害で多数の傷病者が同時に発生した場合、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送をおこなうことが最も重要で、搬送されて来た傷病者の治療優先順位を決定するトリアージを行います。今回のトリアージは正面玄関前の駐車場で3人の医師が実施し、カテゴリー0(無呼吸群)からカテゴリーI(最優先治療群)、カテゴリーII(待機的治療群)、カテゴリーⅢ(保留群・歩行可能で、今すぐの処置や搬送の必要ない)までを識別し、カテゴリー別に建物1階に設けた処置コーナーに運ばれた傷病者を医師が処置しました。シナリオでは傷病者を心肺停止1名、最優先治療者2名、待機的治療者2名、軽傷者27名と想定しましたが、トリアージタグに記入された傷病者の名前の間違いがあったり、対策本部が把握した各カテゴリー人数が異なっていたなど現場が混乱しました。実は15年程前に当時勤務していた奈良県立奈良病院(現奈良県総合医療センター)で初めて災害訓練を行った時も同じミスが起こり、情報が正確に伝わらないことを実感しました。
まだ事後検証は途中ですが(10月2日現在)、約3時間の訓練を参加者は概ね意義深いものだと回答し、「災害意識が高まった」「災害医療センターの意義を認識した」と言った意見も多くありました。逆に傷病者の立場から学生たちが災害医療現場で何が必要と感じたかというアンケートでは、「医療者同士のコミュニケーション」「傷病者への声かけ」が圧倒的に多く、この意見は今後の訓練に役立てなけれなならないと思ってます。
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