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病院のご案内

脳卒中の生活期リハビリテーションについて

 

リハビリテーション科 主任 理学療法士 木匠康喜さん


城山病院は7月14日に「第2回介護・医療連携の会しろやま」をオンラインで開催しました。今回のテーマは「脳卒中に対するリハビリテーションのかかわり方」で、10施設のケアマネジャーなど16名が参加し、活発な意見交換があるなど有意義な取り組みでした。講演した木匠さんに話を聞きました。

はじめに

4月に一次脳卒中センターコア施設に認定された当院では、脳卒中の急性期および回復期リハビリテーションを行っています。脳卒中の後遺症は多岐にわたるため、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが連携し、急性期では疾患のリスク管理をした上で早期離床を、回復期では在宅復帰を目指します。在宅復帰後は生活期リハビリテーションとして、継続した地域での支援が必要になります。今回の講演では地域で生活を送るにあたり、注意してほしい点や介助方法、自主練習などを説明しました。

在宅環境の整備

訪問や施設に理学療法士などのセラピストとのかかわりがない場合をお話します。まず在宅環境の整備が大切です。高齢者の転倒事故の発生場所は住居場所内が最も多く、中でも一日の大半を過ごす居間や寝室での転倒が一番多いというデータがあります。電気コードやカーペット、これからの季節はこたつ布団に足を取られるケースが多く、床に置かれた本や新聞も危険です。動線上の安全を確保してください。

食事介助について

食事は誤嚥に注意することが重要です。立ちながらの介助は、食事をする人の顎が上がるため、誤嚥の可能性が高くなり非常に危険です。また、一口の量を多くせず、飲み込んだことを確認してから次の一口を介助してください。嚥下した瞬間は喉仏が上に上がりますから、それを確認してください。麻痺がある場合は麻痺側から介助することで、麻痺していない側に食物を含ませることができ、スムーズに嚥下できます。そして、嚥下しやすい姿勢作りも大切です。顎を引いた状態で食事ができるようにしてください。

再発予防が重要

脳卒中を発症した人の多くはその背景に好ましくない生活習慣や高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの危険因子をかかえています。日本理学士協会は脳卒中を再発する人は5年間で3人に1人、10年間で2人に1人以上となるデータを示しています。たとえ再発がなくても、脳血管の動脈硬化などを進行させないように生活習慣を改善し、運動を続けていくことが重要です。よく「どのくらい運動すればいいですか?」と訊ねられますが、歩いた後に「気持ちよかった」と感じる程度の距離を続けることをお勧めします。一番良いのは血圧をコントロールできる有酸素運動で、ウォーキングが最適です。最後に、「こけやすくなった」「しびれがある」「力が入らない」「顔面麻痺がある」「ろれつがおかしい」などの症状が起きたら、すぐに専門医を受診してください。