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病院のご案内

高齢者の救急搬送に注力

理事長 黒岩敏彦 医師

 大阪府南部の高齢化率は年々高くなっています。羽曳野市の75歳以上の人口は5年前から約10%増の2万1千人を超えるとされており(2025年度末推計)、地域医療を支えるためにも高齢者の救急搬送の受け入れや、認知症予防は社会的課題です。新年度の城山病院の経営方針について、黒岩理事長に話を聞きました。

今年度の目標

 昨年に引き続き、国内の一般病院の経営は、物価と人件費の上昇や国の働き方改革、診療報酬の改定により厳しいものになっています。当院も一昨年までは厳しい状況ではありましたが、全職員の意識改革や精励恪勤の姿勢で良い方向に進んでおります。

 今年度はさらに「結束・改革・前進」を標語に職員一丸となって、「城山病院は患者様のために存在します」という病院理念を実現してまいります。

通常診療時間に回復

 先月まで消化器内科と循環器内科が常勤医の退職により、診療時間を一時的に縮小しており、地域の患者様にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。今月より各診療科に専門医が赴任し診療を通常に回復しております。

 現在、日本の医療現場では医師不足が深刻な課題で、医師の総数は増加傾向にあるものの、医療需要の増加のほうが大きく、医師供給が追いついていません。先端医療を行いながら、地域医療にも力を入れている当院としまして、今後は一人でも多くの医師を確保することが急務であり、尽力してまいります。

高齢者の救急搬送に全力で対応

 全国の高齢者の救急搬送は過去20年間で2.6倍に増加し、2019年には搬送者全体の60%を占めたというデータがあります。救急車の受け入れを積極的に行っている当院も、高齢者搬送が急激に増えております。

 骨折や外傷など整形外科領域の患者様に加え、肺炎などの内科的疾患の患者さまも多く、その治療は難しい。と申しますのは、高齢者の患者様は複数の慢性疾患を抱えておられることが多いため、病状が悪化しやすく、積極的な治療が必ずしも良い結果になるとは限りません。

 このため、経験の豊かな救急科と一般内科の専門医が必要と考え、今月から増員しております。

認知症予防に有効な脳ドック

 認知症の原因の3分の2はアルツハイマー病です。アルツハイマー病を将来的に発症するリスクを脳ドックである程度正確に診断できます。この結果を予防や早期治療につなげて、進行を遅らすことも可能です。脳ドックや認知症予防ドックは一昨年から実施しており、好評で遠方からも来院されます。今年度はさらに精度を高めた内容にリニューアルいたします。その内容は来月号でお知らせしたいと思っております。

 また、治療可能な認知症の原因である突発性正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫は、簡単な手術で治療できます。65歳以上の日本人で、軽度の認知障害を含めた認知症患者の占める割合は約28%(2022年)というデータもあります。今後、認知症予防においては、「予測する」ことが重要になってくると思います。

 私見ですが、高齢者の運転免許証更新時に受けなければならない認知機能検査は、現状のものは医学的に緩いと考えています。高齢者ドライバーによる事故が多発しています。事故を起こす前に、ご自分の認知機能等を正確に知る取り組みも考えたいと思っております。