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診療のご案内

外来化学療法室

 外来化学療法室 室長
宮武 淳一 

 

がん化学療法看護認定看護師
北村 正美  

【治療環境を整えております】

外来化学療法室は、抗腫瘍剤に感受性のある悪性腫瘍や、骨髄造血障害に対して安全に治療を遂行するため、城山病院内に設置された施設です。ゆったりと楽な姿勢で治療して頂けるようにリクライニングチェアーを完備。また、患者様・ご家族様が治療についてご相談頂けるスペースも確保しております。

化学療法

がんは我が国における死亡原因の第一位であり、その治療のためには化学療法(抗がん剤による治療)も重要な治療法のひとつなってきております。化学療法といえば、その副作用がつらいという印象を伴いますが、医学の進歩に伴い、多くの化学療法を外来で安全に行うことが可能になってまいりました。私たちは、がんの克服のみならず、できるだけ苦痛を軽減した形で外来での通院による治療を受けられることを望んでいます。そのために当院では、医師、看護師、薬剤師が一体となって治療・ケアに当たっています。ひとりひとりに説明をして行っています。最近は各種がんについての勉強会も行っています。

外来化学療法室の紹介

化学療法室
室内の様子

電動ベッド
相談室
相談室の様子

外来化学療法室配置図

配置図

血液がん

血液がんは白血病・悪性リンパ腫・骨髄腫など様々な種類の疾患が存在します。肺がんや胃がん・大腸がんの固形がんとは異なった、血液細胞由来のがんです。血液由来のため全身へ広がりやすいために化学療法(抗がん剤)が必要となってきます。元来、血液疾患の化学療法は大量化学療法が主であり、重篤な副作用が懸念されるために長期入院を必要とされてきました。近年、薬剤・医療の進歩とともに外来での化学療法が可能となってきております。血液内科では通院、化学療法が可能と判断した患者さまを中心に化学療法センターで治療を行っております。(血液内科のpageへ

消化器がん

消化器がんは昨今、早期発見により治療成績が向上していますが、依然として手術が出来ない進行がんの症例や、再発する症例があることも事実です。また、術後の予防的加療が必要になることもあります。このような場合に抗がん剤治療を行います。

一般的に消化器がんには化学療法が効きにくいとされていますが、分子標的療法が臨床で使用可能となり、治療方針も日々進歩しております。胃がんに関しては、内服薬であるTS-1が主体で必要に応じ、CDDPを付加しております。また、2nd line以降のイリノテカンやタキサン系薬剤も行っています。大腸がんに関しては、FOLFOXやFOLFIRIの加療を行っています。必要に応じ、入院で分子標的療法である、アバスチンやアービタックスを付加しております。胆膵がんに対しましては、ゲムシタビンを中心とする加療を行っています。この分野は胆膵内視鏡との関わりが強く、胆膵の処置が出来うる施設でないと対応できないことが多いがん腫であります。詳しくは担当医とご相談下さい。
内視鏡センターへ

がん生存率

抗がん剤により、生存率の上昇が見られています。(消化器外科へ)

乳がん

乳がんは全身疾患と考えられ、そのために局所治療としての外科手術(乳房温存療法や胸筋温存乳房切除術等)や放射線照射、薬物療法の中から必要な手段を適切な順序で行います。特に乳がんでは、その進行度とがんの特徴(LuminalA LuminalB HER2-enriched Basal like など)により、薬の有効性が違います。薬物療法といっても、ホルモン剤を使用する内分泌療法やいわゆる抗がん剤と称される化学療法、分子標的療法に分けられます。乳がんは比較的、化学療法に対する感受性が強く、通院し外来で抗がん剤治療を行っていきます。一般的にアンスラサイクリン系薬剤を含む治療法が推奨され、逐次、最近では、アブラキサンなどのタキサン系薬剤を投与する治療法が行われます。

ゼローダ、TS1やビノレルビンやゲムシタビン、ハラヴェンといった化学療法や、分子標的療法としてのアバスチン、ハーセプチン、タイケルブの治療も行われます。化学療法といっても多種多用で、その人に応じた加療が必要になります。担当医からオーダーメイドのようにその人にあった加療を行ってまいります。
(乳腺外科へ)

乳がん

がんに係る化学療法 延べ患者数

年度 件数
 平成27年度      918件
平成28年度 1082件
平成29年度 1076件
平成30年度  408件
平成31年度/令和元年度 470件

※平成30年度より大阪府がん診療拠点病院指定要件に伴い、延べ患者数の算出方法が変更になりました。

看護師の役割

私たち担当看護師は、化学療法センター内でご本人とまず面談をさせていただき、治療についての説明の補足や、必要であればご家族への説明も行っています。治療当日は、治療を受けられる当日までの体調や、自宅での様子をお聞きしたり、不安に感じられることの相談をお受けしたり、治療をリラックスして受けていただけるようにお手伝いをさせていただいております。また、点滴中も同室に待機し、何事に対してもすぐに対応できるようにコミュニケーションをとっております。患者さんの化学療法の副作用や、その疾患による症状が自宅で出現する事も少なくありませんので、個々にあわせて各副作用の症状・兆候・予防、さらには改善方法を説明し、自宅での自己管理に役立てていただけるように努めています。必要に応じては、点滴治療後の自宅からの電話相談も受け付けております。私達スタッフは来院時には、ささいな悩みをも伝えて頂けるような環境作りに努め、患者さんと医師の橋渡しになれればと考えています。

看護師1 看護師2

薬剤師の役割

薬剤師の役割は、抗がん剤の投与スケジュールと投与量のチェック、抗がん剤の調製、服薬指導、院内のプロトコールの管理、抗がん剤の副作用情報等について情報収集、医療スタッフへの情報提供、副作用のモニタリングなどがあります。

薬剤師1 薬剤師2

特に服薬指導は、患者さんに安心して化学療法を受けて頂くには大切な業務です。抗がん剤は副作用が比較的起き易い薬ですが、適切な対処・予防をすれば小さい副作用で済んだり、副作用自体を防止することも出来る事もあります。

副作用が軽減できれば、化学療法をより長く効果的に受けることが出来ます。起こる可能性のある副作用について、その症状・時期・対処法の説明を行い、患者さんが安心して化学療法を受けられるようにサポート致します。何かございましたら我々、薬剤師にもご相談下さい。

薬剤師スタッフ
薬剤科スタッフ