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脳血管内治療とは

頭の骨を開くことなく、カテーテルと呼ばれる細いチューブを血管の中から頭蓋内に進め脳血管の治療を行うことを「脳血管内治療」といいます。通常、足の付け根の動脈や静脈からカテーテルを入れます。カテーテルから造影剤を注入してレントゲン撮影すると血管が映し出されます。これをみながらカテーテルを進めていきます。この治療の最大の長所は、患者さんにとって負担が少なく、肉体的ストレスが軽い、という点です。

脳動脈瘤

  • 脳動脈瘤の(再)破裂を防ぐための血管内治療は、動脈瘤の中に細くて柔らかいプラチナ製のコイルを瘤の中に充填する方法が一般的です。しかし根元が広い瘤や背の低い瘤にコイルをいれようとするとコイルが外に出てきてしまうため、下記のような工夫を要し、難易度が高まります。
  • 近年、Woven Endobridge(WEB)やフローダイバーターといった新しいコンセプトの道具が使えるようなりました。これらを用いることで従来はコイルで治療困難だった根元の広い瘤に対しても血管内治療で治せるようになりました。
  • 血管内治療が日本で認可される1997年までは開頭手術(クリッピング)しか選択肢がありませんでしたが、技術の進歩により、たくさんの動脈瘤が血管内治療の対象になりました。当院では開頭手術と血管内治療の両方に精通した脳神経外科医が連携し、合議の上でそれぞれの患者さんに最も適した治療法をご提案しております。
  • 1) コイル
  • 瘤の根元がすぼまってくびれがある(瘤頚部が狭い)場合はコイリングに適しています。細く柔らかいカテーテルを瘤内に誘導しコイルを充填します。またある程度頚部が広いものでも2本のカテーテルからコイルを出して絡ませるようにしたり、風船つきのカテーテルで出口をふさぐことでコイルが正常血管に飛び出さないように入れることができます。それでも困難な場合はコイルの足場をつくるためにステントを併用します。

 

  • 2WEB
  • WEBは、脳動脈瘤の袋の内側に留置する“かご状”の道具です。とくに血管の枝分かれ部分にできた、入口の広い動脈瘤で選択肢となります。 動脈瘤の中にWEBを入れることで血液の勢いが弱まり、血液が固まっていき(再)破裂しないようになります。適切なサイズのWEBを選ぶことで瘤の側壁に密着するため根元が広い瘤でも外に飛び出すことはありません。
  •  向いている病変
  •   ・血管の分かれ目の動脈瘤
  •   ・入口の広い動脈瘤
  •  注意点
  •   ・幅が10mmを超える瘤には対応できません
  •   ・破裂直後でも使えます
      •   ・直前の血管の進行方向と瘤の向きがあまりに大きく異なる場合は向いていません
        •   ・治療後もしばらく画像フォローを続けます
3) フローダイバーター

  • フローダイバーターは、動脈瘤の入口をまたぐように親の血管の中へ留置する、細かなメッシュ状のステントです。 動脈瘤の中へ入る血流を減らしながら、親血管の流れを整えることで、血管を内側から再建する考え方の治療です。瘤内の血液は徐々に固まり、最終的には破裂しなくなります。上記のコイルを支えるためのステントと違い、網目が細かく、基本的にはコイルを併用する必要がありません。
  •  向いている病変
  •   ・側壁型の動脈瘤
  •   ・入口の広い動脈瘤
  •   ・再発例やコイルのみでは不利な形
  •  注意点
  •   ・抗血小板薬が一定期間必要です
  •   ・破裂直後はつかえません
      ・適応は血管の場所や大きさで変わります
      ・治療後もしばらく画像フォローを続けます
  •  

頚動脈狭窄

 

動脈硬化が進むと、首の血管(頚動脈)がだんだん細くなることがあります。この血管は脳に血液を送る大切な通り道なので、細くなりすぎると脳に十分な血液が届かなくなったり、そこにできた血栓や狭窄部本体(アテローム)の一部が末梢にとんだりして、脳梗塞を起こす危険があります。まずは薬で治療を行いますが、それでも脳梗塞のリスクが高いと判断される場合には、細くなった血管を広げる治療を行います。

治療には次の2つの方法があります。
①首を切開して行う手術(頚動脈内膜剥離術)
②カテーテルを使った治療(頚動脈ステント治療)

当院では、体への負担が少ないカテーテル治療(ステント治療)をまず検討します。 
■ 頸動脈ステント治療
この治療は、通常局所麻酔で行います。足の付け根や手の血管から細い管(カテーテル)を入れ、首の細くなった血管まで進めます。その際、先端にフィルターや風船(バルーン)がついた器具を使い、治療中に血管の中のカス(プラーク)が脳に流れていかないように守ります。その後、次のように治療を進めます。

・風船で細くなった部分を広げる
・金属の網(ステント)を置いて血管が広がった状態を保つ
・必要に応じて、もう一度風船でしっかり広げる
・最後にカテーテルを抜いて終了します

■ 治療後の経過

治療時間はおよそ1時間程度です。治療後は数時間安静にしていただきますが、その後は食事や歩行も可能です。特に問題がなければ、1週間以内に退院となります。

 

経皮的血栓回収術

主に心房細動という不整脈によって心臓内で血流のよどみが生じさらには血の固まり(血栓)が形成され、これが脳血管に流れてきて脳血管を詰めてしまうことがあります(脳塞栓症)。発症から4.5時間以内では血栓溶解薬(t-PA)の点滴による治療が最初に行われますが、残念ながら中枢側の血管閉塞では十分な治療効果が得られていません。このように血栓溶解薬が無効ないし適応外の場合にカテーテルで血栓を回収する方法が試みられ、最近の海外の治験によって有効性が証明されました。しかしながら日本では限られた施設でしかこの治療を受けられないのが現状です。当院では24時間、血管内治療専従医が待機し、積極的にこの治療を行っています。

■ まず行う治療
発症してから4.5時間以内であれば、
血栓を溶かす薬(t-PA)を点滴で投与する治療を行います。
ただし、大きな血管が詰まっている場合は、
この薬だけでは十分に血栓が取れないことがあります。
■ カテーテルで血栓を取り除く治療(経皮的血栓回収術)

そのような場合に行うのが、
カテーテルを使って血栓を直接取り除く治療(血栓回収術)**です。

足の付け根や手首の血管から細い管(カテーテル)を入れて、
脳の詰まった血管まで進めます。

そこで

  • 血栓をつかんで引き抜く
  • 吸い出す

といった方法で、血管の詰まりを取り除きます。 

■ 治療の効果

この治療は近年の研究で、
脳梗塞の後遺症を減らす効果があることが証明されています。

■ 当院の体制

この治療は専門的な技術が必要なため、
受けられる施設は限られています。

当院では
24時間365日、専門の医師が対応可能であり、
迅速にこの治療を行える体制を整えています。

脳卒中は「一分一秒を争う病気」です。
当科では経験豊富なスタッフにより、一人でも多くの方の命と生活の質を守れるよう取り組んでいます。
「不安だから一度相談したい」という方も、お気軽にご連絡ください。Second opinionとしての受診も受け付けております。

 

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