当センターで乳腺外来を始めて数年経ちました。この間、初めて乳腺の診察を受けられる女性、なかでも自己検診に不安をもたれている女性が多く来院さ れました。ご自分でしこりと感じていらっしゃる部分が、本当のしこりなのか乳腺が硬くなってそう感じるだけなのか、マンモグラフィ、超音波検査ではっきり とわかったとき笑顔で帰っていかれるのが印象的です。逆に検査を受けてはじめてわかるような手に触れることのできない小さな乳がんも見つかっています。今後も乳腺の素朴な疑問・お悩みにお答えできるような診療を目指していきます。
大阪府内では40施設ほどしかありません。
学会の条件は
高度専門施設でありながら、さらに地域のための医療により専念するつもりです。
乳腺外科スタッフ一同
遺伝性乳がんについての保険診療にて遺伝相談、ならびにハイリスク患者様のサーベイランス(マンモグラフィ、乳腺超音波、乳腺MRI)を行い、希望された方には、BRCA1、BRCA2 の遺伝子検査を行うことができるようになりました。さらにリスク低減乳房切除術(RRM)、乳房再建も可能となりました。(詳細はこちらをクリック)
当センターでは、受診された方に、視診、触診、マンモグラフィ、乳腺超音波検査を 施行いたします。諸検査を行った結果、必要なら超音波ガイド下に細胞診(しこりを細い注射針で刺す)や針生検(局所麻酔下に太い針を刺す)を行って乳がん診断を行っています。確定診断を得るため、何度か行うことがありますが、乳がんが疑われた場合には、CT検査、MRI検査を行い、乳がんの大きさ、拡がり診断を行っています。
(当院は乳癌学会認定施設で、学会の精密期間実施施設に合致しています。)
また、他の医療機関を受診されたい場合は、ご希望通り、紹介させていただいております。手術が必要な場合は、診断からできるだけ早期(数週間以内)に行えるように心掛けています。大きさ、拡がりの程度にもよりますが、可能な限り乳房温存療法を行うようにしております。また、センチネルリンパ節生検(Q&Aへ)も行っています。
必要に応じて、乳がんは比較的、化学療法に対する感受性が強といわれており、通院し外来で抗癌剤治療を行っていきます。(化学療法センターのページへ)
当院のマンモグラフィは、施設画像認定を受けております。
最近は、超音波検査として、従来のBモードに加え、マイクロピュア、エラストグラフィを併用し、ソナゾイド造影エコーも行っています。
マンモトームとは、乳房内にできた病変に約3〜4mmほどの針を刺し、組織を吸引・採取する針生検器機です。マ ンモトーム生検は、局所麻酔下で行われ、生検のための小さな傷(約4mm)が1つだけで、10分程、生検部位を押えた後、傷口をテープで止めて完了。傷跡 は1〜2か月くらいでほとんど目立たなくなります。細胞診や針生検(CNB)よりも採取する組織量が多く、より確実な診断をすることができます。
確定診断のための検査
病変部を、マンモグラフィや超音波で写しながらマンモトーム針を刺し、吸引をかけつつ病変の一部または全部の組織を採取します。一度の穿刺で何回も採取できるため、少ない負担で多くの組織採取が可能です。局所麻酔をしますので、痛みもほとんど感じることもなく、入院の必要もありません。希望なら1泊2日で施行することもできます。外来でも、手術室でも施行することが可能です。
細胞針や針生検などにて確定診断が得られない、または不確実の場合、描出可能な良性病変(線維腺腫など)を採り切る術前薬物療法に必要ながん組織の採取。
これにて診断能が向上しております。切開して病変を切除する必要もなく、確定診断がつかないために不安に怯える必要もありません。
新田 敏勝 |
近畿外科学会評議員
|
葭山 亜希 |
木村 光誠 日本外科学会専門医
|
冨永 智 日本外科学会専門医 |
髙島 祐子 日本外科学会専門医 |
|
診察日 | 診察時間 | 備考 |
月曜日(午後) | 14:00〜15:30 | 乳がん検診予約制 受付15:00迄 |
火曜日(午前) | 9:30〜12:00 | 担当医別2診療 |
火曜日(午後) | 13:00〜14:00 | 乳がん検診予約制 受付14:00迄 |
水曜日(午前) | 9:30〜12:00 | |
水曜日(午後) | 13:00〜15:30 | 乳がん検診予約制 受付15:30迄 |
木曜日(午前) | 9:30〜12:00 | |
木曜日(午後) | 13:00〜14:00 | 乳がん検診予約制 受付14:00迄 |
金曜日(午前) | 9:30〜12:00 | |
金曜日(午後) | 13:30〜15:00 | 乳がん検診予約制 受付15:00迄 |
羽曳野市の乳がん検診のお知らせ
【月から金まで毎日行っております。】
【要 問い合わせ】
☆☆ 担当医より一言 ☆☆
乳がんの専門的診断・治療を行うことはもとより乳腺の素朴な疑問・お悩みにもお答えできるような外来を 目指しております。乳腺の診断・治療にはマンモグラフィ・超音波検査が力を発揮しますが、当科では 受診されたその日のうちに検査を受けていただき、その日のうちに結果をお伝えできるよう心がけています。
見張りリンパ節ともいわれ最初に転移を起こすリンパ節です。最初に転移を起こすといわれる所を探し出します!!
がんの手術においてリンパ節郭清は絶対条件でありましたが、乳がんにおいてリンパ節郭清は行うことがはたして治療成績の向上に寄与しているかという報告 が多く見られるようになりました。つまりセンチネルリンパ節である腋窩リンパ節を同定し、そのリンパ節に乳がんの転移がなければ無意味な腋窩リンパ節郭清を省略で きるという考え方です。
腋窩リンパ節郭清に伴う合併症として上肢のむくみ、リンパ液の貯留、知覚異常や疼痛を特徴とする障害などがありま す。腋窩リンパ節郭清を省略できることによりこれらの合併症を防ぐことが出来ます。ただしセンチネルリンパ節に転移があれば、他の腋窩リンパ節にもリンパ 節転移がある可能性があるので通常通り、腋窩リンパ節郭清を行います。
一般的な適応としては
① 3cm未満の小さいしこり
② 臨床的に腋窩リンパ節転移を認めない場合です。
当センターではいわゆる色素法を用いて行っています。つまり、緑色のICGという色素を乳頭周囲の皮下に2、3箇所投与し、投与部位を包むようにして数分間マッサージを行います。10分後、腋窩部に小切開を加え、脂肪組織内に緑染されたリンパ管またはリンパ節を同定します。そのリンパ節を直ちに病理医によって転移があるかどうか調べてもらいます。
大変稀ではありますがセンチネルリンパ節が同定できないことがあります。この場合は通常通り、腋窩リンパ節郭清を行います。手術中にセンチネルリンパ節陰性と診断されても術後に腋窩リンパ節転移がある場合があります。転移が判明した時点でリンパ節郭清を行っても予後は変わらないと考えられています。ただしこの稀なケースに対する正確な答えは現在、海外で行われている大規模な臨床試験の結果を待っているところです。