A型ボツリヌス毒素を有効成分とする「ボトックス注」を用いて,脳卒中後の痙縮,眼瞼けいれん,片側顔面けいれん に対しての専門外来での治療を行なっております.
脳卒中(脳梗塞、脳出血)の後遺症のひとつとして痙縮という症状があります.
筋肉が緊張しすぎて,手足が動きにくかったり,意図しない動きをしてしまう状態のことです.手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい,肘が曲がる,足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます.
筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます),日常生活に支障が生じてしまいます.また,痙縮がリハビリテーションの妨げとなってしまい回復が進まないこともあります。 |
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眼瞼けいれん と 顔面けいれん もボトックス治療の適応となります.
詳細については下記ページをご参照ください
当院では専門外来にて,筋肉を緊張させている神経の働きを抑制するボツリヌストキシン(ボトックス注)を注射することで,筋肉の緊張を緩和させ症状の緩和や関節運動の向上を図る治療を行っています.
ボトックスは筋肉注射によって投与され、神経と筋肉の間の伝達を鈍くする作用があります.この効果は通常2〜4ヶ月と一時的であるため,繰り返し投与を行う必要があります.数回以上の治療を繰り返していると治療間隔が徐々に延長し,症状も軽くなります.
副作用について,大量に投与すると全身性の副作用が出現し,四肢筋力低下や呼吸困難・嚥下困難を生じることもありますが,通常治療に用いられている投与量では,このような症状は生じません.実際に予想される副作用は,皮下出血,一過性の筋力低下 です.
皮下出血の予防と注射の痛みを軽減するために当院では通常よりも細い注射針を用いています.しかしながら可能な限り細い針を用いているとはいえ,筋肉内や皮下に出血が一定の確率で生じます.これは特に治療しなくても1週間以内に消失します.
次に一過性の筋力低下ですが,推奨されている投与量を守っていても,患者さま個々人の反応性の違いから,過剰な効果があらわれて,軽い麻痺が生じることがあります.上記のように,薬剤の効果は2〜4ヶ月ですので,麻痺もこの期間で改善します.
外来を受診するには
まずは、脳・脊髄・神経センターの一般外来を受診して頂きます。
診察の上で適応があると判断されれば、ボトックス外来で治療致します。
お電話でのご案内時間は、9:00から16:00までになりますのでお気を付けください。