ロボット支援下人工関節：RAS

ロボット支援下人工関節:RAS(Robotic Assisted Surgery)の導入について

　人工関節・膝関節機能再建センター　村上友彦センター長からお知らせです。

　2019年にロボット支援下手術システムを使用した人工膝関節置換術が公的医療保険に適用されて以降、ロボットを導入する医療機関はますます増えております。
　人工膝関節置換術は、変形性膝関節症により膝の軟骨や骨が摩耗し、変形した関節を金属や超高分子量ポリエチレンで作られた人工関節に置き換える手術です。
　人工膝関節置換術の良好な結果を得るには、①正確な骨切り、②正確なインプラントの設置、③良好な軟部組織バランスの獲得が必要です。

　ロボット支援下手術システム:RASは、車のカーナビのように術者をロボットで支援する技術です。
　術中に患者さんの膝を動かしながらセンサーで各個人の膝関節内靭帯の緊張度を登録することで、より正確に関節内の状況を把握して手術を行うことが出来るメリットもあります。
　人工膝関節置換術を行う際に膝関節の軟骨や骨を削る必要があり、熟練医師でもその誤差範囲の厚さは3mm、角度は3°以内といわれています。しかしRASを用いることで、誤差範囲は厚さ0.1mm、角度は0.1°以内に抑えることが可能となります。

　RASを用いて安定的に高い精度での手術を行うことで、人工関節の摩耗や緩みなどが生じにくくなり、人工関節の寿命の長期化をはかることができるため将来の再手術リスクを低減し、患者さんの術後満足度の向上が期待できます。
またRASでは不要な切開や剥離をしないため、身体の負担は少なく、感染を低下させ、術後回復が早くなり入院期間の短縮も見込めます。

　センター長の村上が海外での研修を経て、当センターではRASを2024年から導入しました。これまで以上に地域の皆様への貢献につながると確信しておりますので、ご興味ある方は是非当センターを受診下さいますようよろしくお願い申し上げます。