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診療科・部門

顔面けいれん

質問:顔面けいれんとは、どのような病気でしょうか?

顔面の片方の筋肉が、本人の意思に関係なく勝手にピクピクけいれんする病気です。最初は下眼瞼のけいれんが始まり、次第に強くなりながら顔面全体、さらには首のあたりまで拡がっていきます。人前に出たり、電車に乗ったり等で緊張するとこのけいれんは強くなります。この疾患は女性に多いので、悩みも多くなります。けいれんが強くなると睡眠中にも起こります。

質問:なぜこのけいれんが始まるのでしょうか?

顔面神経は脳幹から出て顔面の筋肉に分布しますが、その近くを走っている動脈がこの神経の根元のところを圧迫しますと神経線維の電位に異常をきたし、顔面の筋肉がけいれんするようになります。血管が神経を圧迫しているかどうか確かめるには、MRIで判定します。

質問:なぜ症状が進行して来るのでしょうか?

顔面神経の傍を走る動脈が加齢、または動脈硬化とともに次第に屈曲してきて神経をより圧迫するようになるからです。

質問:顔面けいれんの治療法はどのようなものがありますか?

精神安定剤も含めて、どの薬も効果がありません。以下の2つの方法で治療を行います。

  1. 神経ブロック療法 : 神経ブロックという手技で、しばらくけいれんを抑える方法があります。
    これは、ボツリヌス菌という神経毒素を顔面神経の枝に注射して、神経・顔面筋を麻痺させる方法です。しかしその効果は約3か月間で、また症状は再発してきます。
  2. 根本的な治療法は、その原因である神経圧迫血管を手術的に神経より遊離して、圧迫をとってやる方法です。顔面神経減圧手術と言います。

手術は全身麻酔のもとで、手術用の顕微鏡を用いて圧迫している血管を神経より慎重に遊離し、血管がふたたび神経を圧迫しないようにします。手術時間は、全身麻酔を含めて大体4~5時間位です。術後7~8日に退院が出来ます。

手術動画(顔面痙攣)

手術前 手術後
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 平成30年6月20日(水)の読売新聞に掲載されました。

城山病院では関西地方で最も多くの手術を行っており、長年の手術経験のある医師が、手術を指導し良好な成績を上げております。

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